デグーも他の動物たちと同じように多くの病気が存在します。
近年になってデグーをペットとして飼育することも各所で多くなり治療法の研究などが行われています。ですが、まだまだわからないことも多いの現実です。
デグーに多い病気は身体的特徴や飼育環境などからくるものが多いようです。
そんな中今回は、デグーの歯の病気についてピックアップして知識を共有したいと思います。
デグーの歯について
※ここから先は少々痛い写真があります。苦手な方はお気をつけください。
切歯の不正咬合
どういう病気?
切歯(前歯)はご存知の通り生涯にわたって伸び続ける歯です。本能的に伸びすぎないようご飯を食べるとき以外も上下の歯をこすり合わせたりし適切な長さを保とうとしています。ですが、それが何かのきっかけで上下の噛み合わせが悪くなってしまうことがあります。これを不正咬合と呼びます。これがげっ歯類でなければ噛み合わせが悪いだけで終わったかもしれませんが、生涯にわたって歯が伸び続けるため、より噛み合わせが悪くなり食べ物がうまく食べれなくなったり今まで使用できていたはずの給水ボトルなども使えなくなってきます。
原因
不正咬合になる原因のすべてが絞られるわけではないですが、いくつか可能性のある原因を紹介します。
一つ目はゲージの金網をかじり続けてしまうこと。本来かからない方向からの力がかかることによって歯の根元の歯根に負担がかかたっり、歯がゆがんだりして起こる。
二つ目は高いところから落ちて顔をぶつけてしまう。この場合は歯が折れしまうこともあります。
三つ目は遺伝。生まれながらにして歪んでしまっている場合もあるようです。
治療方法
動物病院に連れて行って歯を削ってもらうのが一番です。下手に自分たちでやろうとすると逆にはを傷つけてしまう可能性もあります。
予防方法
一番は金網を長時間かじられない環境をつくることでしょう。かじり木を用意してあげたりストレスを解消してあげられる環境を作ってケージをかまないように誘導してあげましょう。
落下事故防止のためにステージなどを多めに設置してあげましょう。
臼歯の不正咬合
どういう病気?
あえて切歯とは別で紹介します。デグーは切歯だけでなく臼歯も伸びます。その臼歯が伸びるとよだれを出すようになり口元を気にする動作が増えてきます。食べ物を食べることはできますが、食べたそうにしてはいるがなかなか食べない、もしくは食べなくなってくるため、その場合はこの病気を疑いましょう。当然、ごはんを食べなければだんだんと痩せていき死にいたってしまいます。
治療方法
病院で臼歯を削り適切な長さに揃えます。切歯の不正咬合もそうですが、一度なってしまうと治りにくく、定期的なチェック、歯を削る必要があります。
原因
繊維質の少ない食べ物をよく与えていたりすと病気になりやすい傾向があります。口の中ですぐとけてしまうような臼歯を使用して歯をこすり合わせることがない(削ることがない)のが原因として一番多いようです。
他にも切歯と同じように遺伝での可能もあります。
予防方法
一番の予防は牧草をたくさん与えることです。そうすれば自然と繊維質のものを食べることになるので臼歯をしっかり使うことができます。
オドントーマ(仮性歯牙腫)
どんな病気?
げっ歯類は生涯歯根部で歯が作られますが、切歯などが落下などにより強い衝撃を受けたり、折れたりすると歯根部で生成された歯が正常に伸びることができなくなり歯根部に溜まってしまうことがあります。その結果すぐそばにある鼻腔などを圧迫し鼻炎を起こして呼吸困難を引き起こします。症状としてくしゃみや鼻水を出すようになり呼吸をするときに異音を発したりします。最終的に呼吸困難につながり食欲が落ち、痩せていきます。
原因
上記にも書かせていただきましたが、歯根部に強い衝撃があった場合に起きてしまいます。ペットとしては落下事故によって起きてしまうことが多いようです。
治療方法
病院に行って、歯根部に溜まってしまった歯ごと抜歯するする方法が多いようです。鼻炎などは抗生物質を投与して直していくようです。
予防方法
一番の予防は落下防止の対策を講じることです。
歯の病気だけでも複雑で気づくのが遅ければ死に繋がってしまう可能性が高いものばかりです。病気ならないことが一番ですが、知識として知っているかそうでないかで助かるか助からないかが変わってきます。知識だけでも蓄えていざというときに迅速に対応できるようにしましょう。